柏木さん、どうするんだろう。

このままじゃ、オタクってことがみんなにバレてしまう。






それなのに、柏木さんは余裕そうに笑っている。

笑いながら河田さんに言った。





「仮に俺がキモオタだとしても、このオフィスの誰が信じる?」





オフィスが一瞬ザワッとした。

あたしは硬直したまま柏木さんを見つめていた。

そんなあたしを、柏木さんは急に見る。

視線がぶつかり、胸が再びドキンとする。

金縛りに遭ったように、身体が動かない。





「南條は信じるか?」



「……」



「俺がキモオタってことを」