「あ……あぁ……」
柏木さんは泣きそうな顔で地面に落ちた袋を見ていて。
「ご……ごめんなさいっ!」
そう言い残して、すごい勢いで去って行った。
あたしは、そんな柏木さんの背中を見て震えていた。
すごくイライラしていた。
柏木さんになんて会いたくなかった。
会えば会うほど、惨めに感じるから。
柏木さんは、あたしの気持ちなんて分かってくれないから。
あたしは、柏木さんが落としていった袋を手に取る。
中身は、ポカリスエットに、美味しそうなプリン。
即席のうどんに……
謎の漫画。
謎の漫画だと思ったが、よく見ると某人気漫画だ。
柏木さん、きっとあたしのこと、すごく考えて買ってくれたんだ。
柏木さんの気持ちはすごく嬉しい。
だけど、柏木さんは不要な心配ばかりして、肝心な部分の心配はしてくれない。
すごくもどかしい。
あたしは、柏木さんの置いていった袋を抱きしめて、涙を流していた。