駄目なはずない。

普通なら、すごく嬉しい。

だけど、あたしが今、心配して欲しいのはそこじゃないんだ。

あたしの身体を心配するより、河田さんとの一件について謝ってほしい。







あたしは柏木さんを睨んだ。

柏木さんは怯えた目であたしを見ながら後ずさりする。




「みみ澪ちゃん、ごめんなさい」




何がごめんなさいか分かってるの?




「おおお俺、澪ちゃんに差し入れ買ってきました」




おもむろに差し出される柏木さんの右手。

そこにかかっているレジ袋には、何やら重いものがたくさん入っている。





「いりません!」



「もらってください!」



「いりませんったら!!」



「もらってください!!」




押し問答に耐え切れず、柏木さんの持っていた袋は地面に落ちる。

乾いた音が鳴り響いた。