「柏木さん。
あたし、インフルエンザなんですよ?
移ったらどうするんです?」
柏木さんを睨みながら言う。
それなのに、柏木さんは
「移ってもいいよ」
なんて、訳の分からないことを言い出す。
だから、
「ここは女の子の部屋です!」
そう言ってやると、案の定顔を真っ赤にして力を緩める柏木さん。
女性に弱い、魔法使い柏木さん。
だけど、柏木さんはしぶとかった。
「おお俺、澪ちゃんの彼氏でしょ?」
おどおどして言う。
その言葉に、今度はあたしが何も言えなくなる。
「彼女のこと心配しちゃ、だだダメですか?」