それから、柏木さんからのLINEはぴたっと止まった。
まさか、あたしがインフルエンザだということすら知らなかったのか。
それとも、諦めたのか。
代わりに、慧太郎から連絡がきた。
ー今日、お見舞い行くから!
慧太郎って意外とマメだ。
同じオタクなのに、柏木さんよりも細やかで、柏木さんよりも女性に優しい。
柏木さんも見習ったらいいのに。
……なんてあたし、なに考えてるんだろう。
気付いたら、柏木さんのことばかり考えている。
正気に戻ったあたしは、慧太郎にLINEを返す。
ー移るかもしれないから、お見舞いはいいよ。
柏木さんが慧太郎だったら良かったのに、なんて本気で思った。