「南條!」




柏木さんはあたしを呼んだけど、無視してガチャリと電話を切ってやった。





下手な心配や同情なんていらない。

いくら恋愛経験が少ないからといっても、目を閉じることなんて出来ない。

ちゃんと、そこはしっかりして欲しい。

河田さんじゃなくて、あたしが柏木さんの彼女なんだから。







電話を切った後も、静かな部屋にあたしの鼓動の音だけが響いていた。

胸は相変わらず痛い。

そして、涙が滲んできた。





あたしは再び布団に潜り込み、目を閉じる。





考えちゃいけない。

今週は、リフレッシュの期間にしよう。