「大丈夫です……」




そう言いながらも、頭はボーッとする。

そして、寒気は酷くなり、あたしの身体はカタカタと震えていた。

まずい、午後からも大切な会議があるというのに。

こんな調子じゃ、人の話すら理解出来ないかも。

また柏木さんに呆れられる。

河田さんに馬鹿にされる。





「南條さん、大丈夫ですか?」




再び名前を呼ばれ、顔を上げる。

頭がくらっとして倒れそう。

こんなあたしを見て、慌てる男性。




「顔、すごく赤いです。

熱、測ってみてください」





有無を言わさず体温計を渡されて。

彼の言う通り熱を測ると、三十九度五分もあって。





「南條さん、午後からの会議はもういいです。

柏木さんには伝えておきます。

早く帰宅してください」



「でも……」




うろたえるあたしに、彼は言った。




「柏木さんがいてくだされば、大丈夫ですから」