「それに、なんでこっち来るんですか?

あたし、柏木さんとは飲みたくないのに」




そう言ったあたしに、



「来ちゃいけねぇのか。

お前、相変わらず酷いな」



いつもの調子で言う柏木さん。

そんな柏木さんに、やっぱりイラつきながらもドキドキしてしまう。

そして、頰を染めて俯くあたしは、前に座る高柳君の視線を痛いほど感じた。





柏木さんは鈍感なのか。

高柳君がこうもあたしたちをジロジロ見ているのに、高柳君を無視し続ける。




「あ、もしかして南條、妬いてんの?」



「は?」



「南條もあーんしてぇの?」



「!?」





な……なに!?

あたしの前にいるのは、本当にキモオタ柏木さんなの?





どぎまぎして、身を引くあたし。

もちろん真っ赤な顔をして。