「南條!」
不意に耳元で柏木さんの声がして、飛び上がるあたし。
「○▶︎×◎▪️♡△!?」
訳のわからない言葉を発していた。
柏木さんはあたしの隣にどかっと座り、持っていたビールをぐいっと飲む。
あたしの近くの女子たちが、柏木さんを見て頰を染めていた。
……そうだよね、柏木さん、カッコいいもん。
改めて柏木さんを見る。
おしゃれな短めの髪に、切れ長の瞳。
上品な鼻筋に、口角が上がった口元。
それを確認するたびに、ドキンとする。
「南條、飲んでねぇな」
柏木さんは空いていたあたしのグラスに、ビールを並々と注ぐ。
そんな柏木さんに、
「余計なお世話です」
あたしは言った。