「柏木さん、チャラいだけだよ」




高柳君に言う。




「確かにチャラいですけど……

チャラいなりに、いつも南條南條って言ってますよ?

もしかして両思い?」





ドキッとした。

そして、なんだか嬉しかった。




だけど、



「あ。でも、南條さん、柏木さんに振られているんですよね」



高柳君の言葉に飛び上がりそうになった。





なんでそんなこと知ってるの?

もしかして、あたしが振られたって有名になっているの?

……そうかもしれない。

あたし以外にも柏木さんに告白した人を、数人知っている。

きっと、柏木さんは口外したりはしないだろうけど、噂で回ってしまうんだ。