「多分…生徒手帳」

「あら、貰ったばっかりなのに」

「あの男の子のかな?」

「どうだろ」


肩をすくめた愛永を見て
もう一度、男の子を見た。

気持ち良さそうに寝てるしな…


「ちょっと拾ってくる!」

「え、ほんとに言ってる?」

「うん!帰ってて!」

「はいはい。
じゃー葵の鞄も持っておりとくわね」

「さんきゅ!」


パタパタと階段を駆け下りる

誰の生徒手帳か知らないけど
新学期早々、生徒手帳を落とすなんて

ついてないよね。

届けないと…


中庭につくと、勿論まだその生徒手帳は
そこに落ちてあって、

私はそれを拾い上げた。


「あれ、これって…」