「……」

どんなに沈黙が続いても、拓哉に身をあずけていると安心して気が抜けちゃったみたい

意識が朦朧とする

ーーーキキッー

「あっぶなっ!!!」

「ふへっ?」

チャリが急ブレーキをかけて止まった

「美乃里!
危ないじゃん!!!

居眠りするな、バランス崩す」

どうやら、私が寝ていてバランスが崩れたらしい

「ゴメン…」

でもどうしても、怠くて目を閉じた

「ゲホゴホゼェハァコホッゲホゴホ」

まただ さっきの咳とおんなじ

拓哉の学ランをぎゅっと握った

「大丈夫か!?」
ちょうど、コンビニが近くにあったので止めてもらった

咳が止まらなくて、息もできない
こんなに苦しいことは初めて

拓哉が買ってきてくれた水を含むと大分落ち着いてきた

「美乃里、マジ顔色悪すぎ

さっき、きつくて寝てた?
そしたら、怒鳴ってゴメン」

「ううん、さっきのは私が悪いんだよ

乗せてもらってるのに……

なんで、こんなに苦しくなるのかよく分かんないの、自分でも

ほんとにごめんね?」