彼氏メール「急にどうした?ちょっと考えさせて」
汗をかいて笑ってる顔文字。
全く傷ついたり、ショックを受けることはなかった。
私のこと好きだろうに、駆け引きだなあ。
この人と付きあえなくてもどうってことない。
私は学生。
アルバイトが本業じゃない。
勉強。
勉強は熱心にしてなかったけど
そんな風に思えてた頃だった。
昼間に「好きです。付き合いませんか?」とメールして夕方にはオッケーの返事が来ていた。
ほら、やっぱりね。
こうして偽物カップルになった。
さん付けからあっという間に、ちゃん付けで読んできた。
初めてのデートは地元のショッピングセンター。
前日の夜にはアナスイで買った夜空のような蒼い色でマニキュア。
大好きな彼氏と初デートでドキドキ。
という訳ではなくて、初デートという行為に喜びを感じていた。
デート当日。
「こんにちは。宜しくお願いします!!」
「こちらこそ宜しくね~。アルバイトじゃないし、敬語使わなくていいよ?」
「あ、はい!分かりました!」
「(笑)どこ行く?お腹空いてる?」
「中島さんはどうですか?空きましたか?」
「そうだね~。話もできるし、フードコートでも行く?」
「行ってみましょうか!」
何だか話しやすい~。いつ嫌われても良い訳だもん!!
自分を作らなくてもいいんだな~!
中島さんとなら、素を出せそう!
アルバイト中で出来上がったイメージは覆されることなく、何でもない対したことがない話を聞きながら、そう考えていた。
笑顔、笑顔、笑顔。
彼氏は男として好きではないけど人としては沢山話しかけてくれるし、良いかも!
話は耳に入らず頭の中で思考を巡らす。
笑顔で、はい、はい、え~そうなんですか!
と繰り返す。
私の意見を求めてもないし、その辺は気持ちが沈んだ。
私の話しも聞いて欲しいなあと思うのが女子だ。
二人でうどんを頼んだ。
特に、うどんが好きじゃないけど。