「こんなふうに、言うつもりなかったのに……おまえのせいで、完全に予定狂った」



な、なにそれ、私が悪いっていうの??!

意味、わかんない。だって総司はきょうだいみたいなもので、恋とか愛とか生まれようもなくて。


……でも、総司にとっての私は違った?



「ていうかずっとっていつからさ??! あんた今までしょっちゅう彼女いたことあったじゃない!!」

「そんなんガキの頃からだっつの!! 仕方ねーだろ俺だって男なんだからせっかくかわいい女子に告られたら普通に付き合ってみたくなるだろ!!」

「はあああ??! さいってー!! ていうかなんで今になってそんなこと言うの私たち生まれてこの方丸25年の付き合いよ??! 今までいくらでも言うタイミングあったじゃんインターバルタイム長すぎか!! ボール放るまでにどんだけ時間かかってんだ!!」

「うるっせぇその何でも野球に例えんのやめろよなわかりづれぇんだよ野球バカ!!」

「野球バカで結構!!!」



ほとんど怒鳴るみたいな言い合いをして、お互い息が上がっている。

幸いなのは、近くを通る通行人がほとんどいないこと。じゃなきゃこんなのとっくに通報されてるわ!



「なんで今、なんて……そんなん、俺の方こそ聞きたいっつの」



苦々しげにつぶやいたかと思えば、また上から睨みつけられる。



「すみれおまえ、今まで全然男っ気なかったくせに、なんで今になって……しかも、プロ野球選手なんかと仲良くなってんだよ!」

「っそ……んなこと、言われても……っ」

「……おまえは、いつまで経っても俺のこと男として見なかったけど。それでも1番近くにいる男が俺なのは事実だから、最終的にいつか絶対俺のものになるだろうって高くくってたんだ。そしたらいつの間にか、久我 尚人とデートする仲にまで進展してるし」