今夜は女子会のはずが、これじゃあいつの間にやらプチ同窓会だ。

この3人で集まるのは、かなり久しぶり。広香って、自分に彼氏いるときはあまり男友達と会わないようにしてるらしいし。

前の彼氏と別れてからは、たしかもう2ヵ月になるっけ。



「いやー、やっぱいい男だわ総司くん。すみれ、悪い事言わないからあんたはおとなしく総司くんに嫁に貰ってもらいなさい。あんたみたいなおっさん女子を扱いこなせるのは総司くんくらいだって」

「おー、もっと言ってやって広香」

「ちょっとふたりともお酒入ってるからっていい加減にしなよ……?」



結局、広香と総司が座る席の間にある辺に椅子を置いて落ち着いた私は、ふたりの暴言にじとりとうらめしげな眼差しを向けた。

嫁、とか、軽々しく口にすんなよなあ。総司にだって選ぶ権利はあるわけだし。

にしても、総司も悪ノリしすぎ。どうせ嫁に貰う気なんてこれっぽっちもないくせに。


むっちゃんに厚焼きたまごを追加注文したところで、どこからともなく電話の着信音が聞こえてきた。

どうやら、音の発生源はテーブル脇に置いていた広香のスマホらしい。彼女はディスプレイを確認すると、そのまま席を立つ。



「ごめん、ちょっと電話してくる」

「はいよー」



一旦店の外に出る広香の背中から、視線を元に戻す、と。

思いがけなくじっとこちらを見ていた総司と目が合って、少し驚いてしまう。