『・・・どういうことだい?

「私の国では決して汚れた者を許さない。」

私たちを見つけて殺すまで軍は帰らないわ、と母は泣き出した。


『・・・それなら、守ろう。』

「・・・え?」

髪が乱れて地面に倒れた母が顔をあげる。


『それならこの子を守りぬくまでさ。』

父はわざと明るく言ってみせた。

母親は静かに力強くうなずいた。



生まれながらに追われる身の赤子。


それは自分達のせいであって、この子を守るのがせめてもの罪滅ぼしであった。


それから幾らかの時は過ぎ、赤子も少女となった。




『ええい、まだ見つからんのかっ!!』

「申し訳ありません、光神様。いくら探しても赤子は見つからず・・・。」

『・・・あぁ、もういい。下がれ。早く奴等を見つけるのだ。』

神は苛立っているようだった。

「・・・は、はい!!」






「・・・ねぇねぇ、ママ?」

『・・・なぁに?』

「どうして私は岩の外へ出てはいけないの?」

『・・・それは、パパもママもあなたを愛しているからよ。森には危険がいっぱいだからね。』

「・・・そっかぁ。」

私はショボンとうなだれていた。