「うぉっ、何だ!?」


「うっ!」


「うわっ!?」


私が殺されるはずの、その瞬間。
なぜかやられたのは彼らのほうだった。


恐る恐る目を開くと、宙を舞う黒い人影が一瞬ひらりと見えた。
だけど、それが幻であったかののようにすぐに見失ってしまった。


周りに倒れた輝く人達。
あの人影が助けてくれたのだ。

なぜ姿を消してしまったのか。
お礼くらい言わせてくれても良かったじゃないか。


とはいえ、命さえ助かったものの私はまだまだ救われてはいなかった。


とうとう私は独りぼっちになった。
これからは強く生きていかなければならない。
あの輝く人はまた私を狙いにくるだろう。

私はどこか住みかを探そうとした。
太陽はもう完全に上がっている。
いつまた殺され危険が来るか分からない。

どうしてパパとママは殺されなければならなかったのかな。
未だに私達が狙われている理由が分からなかった。


森の風が私に伝えた。

ー君の両親は死んでしまったよ。

やっぱりそうなのか。
分かってはいたけど、もしかしたらと思っていたのに。

とりあえずの危険が去った今、悲しみが溢れた。
じわじわと胸の奥から熱いものが込み上げる。
そして、それは雫となって瞳に滲んだ。
滴り落ちたその涙が森の大地を濡らして木々を潤しただろうか。


目の前のことが受け入れられなかった。