「逃がすな!少女を捕らえよ!!」

だが、幼い私の足では到底逃げられそうになかった。
彼らと私の距離はみるみる狭くなる。

足もまた重くなってきた。
無理やり前に進むようで転びそうになる。



「大人しくしろ!」


真後ろから服をつかまれた。

もうダメだ。
私はここでパパやママの犠牲も無駄にして殺されてしまうんだ。
やっと外に出れたのに、殺されてしまうんだ。


今さらいろんな感情が一気に自分の中を駆け巡る。


「全く手間かけやがって。」

必死にもがくがびくともしない。
その人の持っていた刀が私に向けられる。


「覚悟しろ!」


『・・・きゃあ・・・・・・!!』


思わず目をつぶっていたと思う。