だいぶ明るくなってきた。
私の両親は焦りはじめていた。

「ねぇねぇ、どこに行くの?」

『・・・新しい家だよ。』

「それは、どこにあるの?」

『・・・・・・。』

「ねぇねぇ。」

『もう、静かにしなさい。』


両親の歩くスピードは速くなっていった。
それに合わせていた私はとうとう疲れてしまった。

「ねぇ、疲れちゃった。」

その声にやっと母と父は振り向いた。

『もう少し頑張ろう?』

だけど、もうすでにクタクタ。
私は外で遊ぶこともなかったから、体力は元々ないのだ。

「・・・疲れた・・・・・・。」

そう呟いてその場に座りこんでしまった。

『・・・あと、少しよ。』

「もう歩けないよ・・・。」


どうしたのだろう。
いつもなら、パパとママが自分に無理させようとなんてしない。
どうしてそんなに急ぐんだろう。