それから香奈は変わってしまった。
あの転校生達が来てから…。
香奈はいつもとほとんど何も変わってはいないけど、時々辛そうで、苦しそうで、とても悲しそうな顔をするようになった。
私達は幼馴染みだから2人の事は良く解っているつもりだ。でも、自分でもよく解ってる。つもりってだけで、実は香奈の事を何も知らない。香奈は家の事も過去の事も何も話してはくれない。
「どうした?志歩理」
香奈が心配して話し掛けて来てくれた。
―どうしよう。聞いてみようか?家の事、過去の事。でも、嫌われたらどうしよう?―
そう思った時、
「香奈、ちょっといいか?」転校生の2人が香奈を呼び出た。
「ヤダ。私は志歩理と話したいの」
「いいからちょっと来い!」そう言って香奈を引っ張って教室から出て行ってしまった。
香奈があんな風に言う何て初めてだった。