「あっ、あやちゃんあやちゃん!!」
「みかこちゃん!」
登校途中、凌ちゃんのお母さんであるみかこちゃんに道端で呼び止められた。
みかこちゃんはさすが凌ちゃんのお母さんなだけあって美人である。
そして可愛らしいという最強レディ。
「これ、凌の部活の保護者会の出欠表なんだけど、凌が珍しく忘れてっちゃって。今日が締切だから渡しておいてもらえないかな?」
「…わかった!」
少し間が空いてしまったのは、内心「まじかー」と思ってしまったから。
凌ちゃんのことを避けるのはやめる、となったわけだけど、やっぱり極力関わりたくない。
めいの目もあるし、何より好きじゃなくなりたいからっていうことがある。
でも、頼まれたから断るわけにもいかず…。
わたしは笑顔でお礼を言ってくれるみかこちゃんと別れて、重い足取りで学校へ向かった。