ある日部活後に、部活の大事な備品が無いことに気付いためいは一人でずっと体育館の器具庫とか探してたんだって。

そこへたまたま現れたのが、忘れ物を取りに戻ってきた凌ちゃん。

一緒に探してくれたらしい。

男子と一定の距離を置いてきためいも、さすがにその時ばかりはそんなことを考える余裕もなく、凌ちゃんの力を借りたのだと。

それがきっかけで部活の前後とかで顔を合わせたら話すようになって、少しずつ距離が縮まってったんだと。



わたしはその話を聞いて、少し心がざわついた。

凌ちゃんは、ぶっきらぼうだけどさっきの話みたいに一緒に探してあげたりする優しさはもっている。

でも、誰か特定の女子と距離を縮めることはなかったから。




あれ、なんでわたし、嬉しそうなめいの目が、見れないんだろう。


その時、そう思ったことをはっきりと覚えている。