君だけが知る真実を...


僕の嘘を見抜ける君はもっと空っぽ

「おい席つけ、転校生だ入れ」

ガラガラ

「かわいくね!な!王子?タイプ?」
「かわいいよなー王子惚れるか?」

騒がしい、俺は王子じゃない

「僕?どうだろう」

「よろしくお願いします
沙由香和紫葵です」

沙由香和紫葵(さゆかわちな)覚えやすくて助かるわ

「かわいいー」

みんながかわいいを連発し始めた

「王子見てみろ」

「あ、うん...」

かわいい

本当にかわいい子だ

「沙由香和はお前澤田の横な」

え!俺の横?


かわいい子と最初はそれしか頭になかった


これから俺の完璧な表の顔が崩れていくんだ

入った瞬間のかわいいの声は聞き慣れた

みんなはうちの完璧な表の顔しかみてない

誰も空っぽな私には気づかない

入る前に聞いた王子と言う言葉

どうせ顔だけ

「よろしくお願いします
沙由香和紫葵です」

かわいいそんな声しか聞こえない

私は王子とやらを目で探した

一目でわかった誰よりも綺麗な顔立ちをしていた

けど私には輝いて見えなかった

私のように汚れて見えた

「沙由香和お前澤田の横な」

そんな声が聞こえた

澤田?担任が指差した方を見た

さっきの王子?だった

「王子ラッキーだな」

女の子からはずるいの声が

私は席に行った

「澤田鎌ですよろしく」

澤田鎌(さわだれん)覚えやすくてよかった

「沙由香和紫葵ですよろしくお願いします」

澤田くんはぎこちない笑顔を向けた

この笑顔が嘘だってまだ誰にもバレてないみたい

「嘘を向けないで」

「え?」

「嘘の笑顔なんて私に向けないで」

一瞬君が初恋の人に重なってみえた...

何言ってんだよこいつ

嘘の笑顔を向けるな?

バレてなかったのにどうしてわかるんだよ

「紫葵さん変なこと言わないでくださいよ」

俺はまた嘘の笑顔で答えた

「紫葵って呼ばないでください、私には理解できません」

「なに「これでホームルームは終わる」」

「紫「起立、礼」」

「王子ー」

沙由香和さんが出て行こうとした

「紫葵さんまって」

俺はとっさに腕を掴んだ

「理解できないってなにを?」

「王子?あなたが?一番空っぽなのに王子なの?外見しか求められない空っぽ王子様手を離して」

おれは正論を言われ手を離して終わった

手を掴んだ時一瞬君が初恋の人に重なってみえた...