「ねぇ、百合は僕の名前知ってる?」
馬鹿にしているのか。初めて私のところへ押しかけてきたときに、自分で名前を名乗ったくせに。
「瑛太、でしょ?」
すると彼は、柔らかい笑みを浮かべて、目を閉じた。
「ねぇ百合、君が膝枕をするのは僕だけ?」
「何を言ってるのよ。瑛太くらいよ、こんなにしつこく付きまとってくるのは。」
なんだろう。激しくクサいセリフを言ってる気がしてきた。
「じゃあ、これからも僕だけの君でいてよ?君は僕のもの。それで、僕も君だけのものだから。」
ーチュッ
いきな りのキスに、私の顔が赤くなるのに時間はかからなかった。