言ってしまった。
こう言えば父が困ることを分かっていたのに。
「翼、お母さんはちゃんと翼を愛してるよ。」
「もう、いいよ。お父さん、
私、中学を卒業したら寮のある学校に行くよ。」
つまり、家を出ていくということ。
「これ以上、お母さんに嫌われたくないよ」
その日のうちに、
私は母に憧れて伸ばした黒くて長い髪をバッサリと切った。
わたしを見ない母は、気づくのも遅く。
気づいてもそっけなく、「……いいんじゃないの」
というだけだった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…