え、ちょっと待って。
どういうこと?
「そんなに1人で帰りたくなかったの?」
そんな人だったっけ?
『違ぇよ。お前に、胡桃に話があったから』
私に?
「なーに?」
なんだろう。
勉強のことかな?いやでも、修斗は私より頭良かったはずだし。
じゃあバスケのこと?
そんなわけないよね。
少し前を歩いていた修斗が立ち止まり
こちらに振り返った。
『胡桃はさー…………』
「ん?」
名前だけ呼ばれて声が止まった。
修斗の視線は、私が肩からさげてる鞄にそそがれている。
何か付いてたかな。
私も見てみるけど、特にこれといった汚れはない。
『なぁ、これ何?』