その日は、ボールを数えるのに時間がかかってしまい、
学校を出るのが遅くなってしまった。
修斗ファンで入ったマネージャーの子は、
部員が帰るのと同時に帰っていく。
だからいつも、部室を掃除したり、ボールを数えたりするのは、
私と、親友の高橋美紀(タカハシ ミキ)くらいだ。
でも今日は、そんな美紀も塾の時間になってしまったらしく、
ボールを数えている途中で帰ってしまった。
誰かがステージ横のカーテンに入れなければ
美紀と帰れてたのにな……。
校門を出ると、1つの人影があることに気がついた。
誰……?
静かに、そーっと通り過ぎようとすると
パシッ
誰かに手首を掴まれた。
「ぎゃーーーっ!だ、誰かっ、、、ん、、、っ」
『落ち着け胡桃。俺だよ、修斗』