「さーて、鈴菜ちゃん、最初にどこ行こっか
やっぱり最初は柊也くんのクラスのとこ?」


2人とも一息ついたところで入口でもらったパンフレットを見ながら話す。


「ん~、そうだね
展示だから混んでなさそうだし」


「じゃあ、行こっか」


「うん!」


一気に楽しさが膨れてきた。


騒がしくて、楽しげで、こっちも一緒に楽しくなれるような、そんな雰囲気。


楽しいなぁ。


こんな、お祭りみたいな雰囲気久しぶり。


というか、初めて。


柊也と一緒に来てみたかったなぁ、とつい思ってしまって山田さんに申し訳ないなぁ。


「ふふ、気にしなくていいのよ、鈴菜ちゃん」


「えっ!?」


「今ちょうど『柊也くんと一緒に来たかったなぁ』って思ったでしょ?

気に病む必要なんて何にもないのよ
それが、当たり前なんだから」


自信満々の笑顔でそう言われるとつい納得しちゃう。


すごい人だな、山田さんは。


「ねぇ山田さん
なんで山田さんはこんなに恋愛に関して得意なの?」


「なによぅいきなり~
私は何に関しても得意でしょッ」


私が聞くとおちゃらけたようにそういって


「まぁ...過去の恋愛がいきてるの...かな?」


と、続けた。


「!?
私聞きたい!山田さんの過去の恋愛聞きたい!」


突然きた恋バナについ過剰に反応しちゃう私。


「え、まじか~ 全然面白くないよ~?」


「いいの!こうやって誰かとこういう話したかったの!」


「そっかぁ~
なら、後で話してあげるね」


「楽しみにしてる!!」


「わかったわかった」


呆れたようにそういって笑顔になる。


山田さんの笑顔がとっても好き。


全てを優しく包み込んでくれそうな


見てるこっちが幸せになるような


「山田さん大好きー!」


突然言いたくなって大声出しちゃった。


山田さんは私の声にビクッとなって


「うふふふ
嬉しいこと言ってくれるじゃなーい!
私も鈴菜ちゃん大好きー!」


と、言ってくれた。