ゆさゆさゆさ……。


「マーヤ、起きて。着いたよ。」
聞きなれた優しい声。


私は寝起きが悪いので、まず、ゆっくりと目を開ける。


それでも、しばらくボンヤリしている。


目をパチパチさせて、ゴシゴシと目をこする。


そしてまた、ボーッとしていると。


「マーヤ着いたよ。」


この声は……。


「……伊織くん……?」


「ん。」


あれ?
ここって家だっけ?


にしては賑やかなような……?


「マーヤ、今日は社員旅行で、ここはバスの中。ホテルに着いたから降りなきゃだよ?」


社員旅行……社員旅行……。


そうだった‼


プルプルと頭を振って、やっと頭が覚醒してきた。