「どうしたの?」

ブツブツ言いながら自分の額を叩くあたしを、深町はいぶかしそうに見ている。

「ううん、何でもない」

平然を装うあたしは、考えてきた作戦を頭の中で整理していた。

いいわね、美和。

すぐに逃げ出せるよう、絶対に服は脱がされないようにするのよ。

「先に脱いで」とか何とか言って、深町が全裸になったところをパシャって撮るの!!

……あ、すぐに撮れるよう、携帯電話は開いたままで鞄の中に入れておかなきゃ。

「さ、始めようぜ」

手を鞄の中に突っ込んでゴソゴソしていると、前を歩いていた深町がピタリと立ち止まる。