「いいよ」

突然、深町が声を出した。

向こうをむいていたあたしは、ビクッと体を跳ねらせる。

「その誘いに乗ってもいいよ」

振り向くあたしに余裕の笑みを見せながら、深町は軽い口調でそう言ってきた。

……や、やったぁ!!

深町の奴、まんまとあたしの罠に飛び込んできた!!

「仲良くしようぜ」と囁いてくる彼にうなずきながら、心の中であたしは女王アリになる。

もう……何なんだろう、こういうのって素質っていうのかな?

ううん、才能?

てか、ぶっちゃけ天才なんじゃない!?

恐いわ、こんな自分が。

巧みな作戦、悪魔までも飲み込むこの美貌。

……止まらない。

もう、誰もあたしを止められない!!