……これよ、これ。

男はなんだかんだ言っても、女の色気には弱い。

本能でそうなってしまうというか、きっと止められないものがあるのだろう。

あたしの次の作戦は、これを利用しようと思っている。

「いらない」と言いながらも、チャイムが鳴ったとき、太一はちゃんと袋を持ち帰った。

そんな彼をクスクス笑いながら、あたしは今日の放課後を楽しみに待っていた。


「深町くん!」

その日の夜、あたしはまたレンタルショップの駐車場で、彼のバイトが終わるのを待っていた。

あたしを見る深町は、あからさまに嫌な顔をする。

「……暇人だね。他にやることないの?」