……完璧だわ。

太一にはまだ頼んでないけど、美緒ちゃんの話を聞いたとき、あんなに怒ってたんだから、きっと協力してくれるだろう。

てか、嫌がっても押し付けるけどね。

「名前は?」

ペットボトルのふたを開けながら、深町は自分の名前を言うと共に、あたしの名前を聞いてきた。

「……三輪、桃子です」

名前まで考えていなかったあたしは、慌てて苗字と名前をひっくり返した。

「ももせみわ」と「みわももこ」、似てるけど……ばれてないよね?

「桃子ちゃんか、可愛い名前だね」

深町はさわやかに微笑んで、うんうんと頷いている。

ふっ、気づいてないみたい。

名前まで聞くところを見ると、深町はあたしに興味を持ったんだろう。

こいつ、完全に一目惚れされたと思い込んでるわ。

ニヤニヤしちゃって、あー、気持ち悪い。