「あ……、いや、別に迷惑じゃないけど」

そう言って、深町はあたしの手からペットボトルを受け取っていく。

ほーらね、なんだかんだ言っても、こいつだって普通の男よ。

よし、このまま一気に、付き合うところまでいっちゃおうかな。

付き合ってからのことはもう計画済みだし、準備は万端。

まずは健気な態度で接して、深町に愛されている余裕を持たせるの。

そして、徐々にあたしのことを好きになってきたなぁと思ったとき、太一に協力を頼み、ライバルが出現したように見せ、不安にさせる。

そこであたしが深町を選べば、きっと、愛は深まったと思い込むだろう。

何の問題もなくラブラブのカップルになって、深町があたしにメロメロになったとき、パンッと別れを持ち出して捨ててやる。