「よ、妖精男まで……」

そこには、10冊以上の本を抱えた森本が、壁に隠れて彼女を見つめている。

「いやぁぁぁぁ!!」

「ちょ……美和!?」

直子の呼びかけにも振り返らず、あたしは全力疾走で廊下を走っていく。


負ける、絶対に負けちゃう。

「はぁ……はぁ」

立ち止まった場所は、新聞部の部室の前。