「ねぇ、あれって……」

「あ……」

可愛いらしくなった彼女に、駆け寄る数人の男子。

ラブレターやプレゼントが彼女の手に渡っていく。

こんなにすぐモテ始めるものなの?

「こ、恐い」

望遠鏡を目から外して、深いため息をつく。

「み、美和! ちょっと見て!」

ずっと眺めている直子が、指をさす。
言われるまま、田畑あきおから少し離れた場所を見た。