「……潰す」

深町家でばったり会った日のことを思い出したあたしは、校内新聞を直子の手から奪い、くしゃくしゃにした。

「また変なことを考えて……。あんたには単純な脳みそしかないんだから、余計なことをするより、元に戻るのを待ってたほうが正解だって」

直子はそう言って、あたしの手から新聞を取り返すと、手でしわをのばしながらまた読み始める。

「でもさ、この子が人気を集めるの……わかる気がするなぁ」

机にひじをつく直子は、朗らかに笑いながらつぶやいた。

「ほら、美和ってさ……親近感を与えないタイプじゃん。あ、悪い意味で言ってるわけじゃないよ。別にそれはそれでいいんだけど、この子はなんか……友達になりたいタイプっていうか」