「もう買ってんの?」と冷ややかに見つめると、彼は苦笑いした。……ムカつく。

ムカつくけど、許してやるか。

「あたしの誕生日、5月7日だから」

絶対、弥生ちゃんより高い物を買わせてやる。
だって、あたしは彼女だもん。

篤紀は「はいはい」と言いながら、ケラケラ笑う。

つんとした態度のあたしは、そんな彼をチラチラ見ながら、繋がれた手をそっと握り返した。