「閉じろよ、目」

彼は腕をつかんだまま、優しい声で囁いてきた。

「何?」って聞くと、彼は「ちゃんとしておく」と答える。

そんな言い方されたら、絶対に閉じたくない。
というか、しづらいよ。

「やだ」

そう返して、彼の腕を振り払おうとした。
だけど、篤紀はその腕もつかんできて……。

ゆっくりと重ねられた唇。

さっきとは違う、くっつけるだけのキス。

けれど、胸は口移しされたときよりもドキドキしていて、あたしは緊張しながらも強く目をつぶった。