「気にならないわけないでしょ」

腹が立ったから、喧嘩腰で言い返した。

「だって、あんたはこの前まで」

「……あのさ」

「ずっと弥生ちゃんのことを」

「あのさ」

「好きだったじゃない!」

割り込んでくる彼の声も聞かず、あたしは話を続ける。

「おい、聞けって」

そばに寄ってきた彼は、あたしの腕をつかみ、叱るような言い方をした。