本文を読みながら、画面を篤紀にも見せる。

そのとき、だ。

「ちょっと、あなた! そんなところで何してるのよ?」

ドアの向こうから、お母さんの声が聞こえてきた。
慌てて立ち上がったあたしは、ドアを開けて廊下を覗く。

「……お父さん」

そこには、ドレス姿のまま洗濯物を運ぶお母さんと、壁にもたれて座り込む、ガウン姿のお父さんがいた。