あごをつたう滴がくすぐったい。

あたしは口に入れられたサイダーを飲み干し、彼の胸を両手で押して、必死に逃れようとした。

けれど、あたしの肩と腕をつかむ彼の腕の力には、とてもかなわなくて……。

ゆっくり動く口は、あたしの唇を食べるように甘噛みしてくる。

すぐ近くの顔、目の前にある彼のまぶた。

目を閉じるべきなのかもしれない。
だけど、そんな余裕なんか持ち合わせてるわけもなく。

結局、あたしは彼が離れるまで、目を開けたままだった。