「……離して」

つねってくる手を睨みながら、言う。

くすくす笑いながら、頬に触れる指を放す彼。

向き合った態勢が、少し照れくさい。

顔全体から感じる熱と、まだ濡れているまつ毛。

恥ずかしくなったあたしは、そばにあるコップに手を伸ばし、サイダーをごくごく飲んだ。

空になったら、また注ぐ。
そんなあたしを面白がるように、彼はニヤニヤしながらジーッと見つめてくる。

「……なくなったから、取ってくるね」