「ごめん。いいや、忘れて」

子供みたいなことを言ってる自分が恥ずかしくなった。

駄々をこねたって何も変わらないし、困らせて面倒くさいと思われるだけだよね。

髪の毛をクシャッと掴んで、うつむく。
視界が涙でゆがんだ。

もう、やだ。

こんなことで泣きそうになってるなんて、馬鹿馬鹿しいよ。

「……はぁ」

ため息が聞こえた。

きっと「だるい」って思われてる。

下唇を噛んで、スカートをギュッと掴む。
すると、彼はゆっくりと立ち上がり、あたしのそばで座り直した。