……確かに、昔のことを掘り出したって何も変わらない。

「そんなに言うなら、お前はどうなんだよ? クリスマスの日、他の男と一緒にいたじゃん」

逆に聞かれて、自分も同じだと気づかされる。

「あたしだって……好きでもない人と付き合ってたことあるけど」

同じことをしていたんだから、文句なんて言える立場じゃないんだけれど……。

「でも、あたしは」

イライラし過ぎたせいか、涙腺が緩む。

「体の関係なんてなかったし、キスだってまだ……したことないし」

あたしは何でも1番になりたい。
篤紀の初めての彼女になりたかったし、そういうこともふたり目じゃ嫌なの。