ケーキを食べていた彼は、あたしの質問に戸惑っている様子。

口の動きが止まったことで、あたしは自分が図星をついたことを確信した。

「そりゃ、付き合ってたんだから……そういうこともあるだろ」

首をかきながら、小さな声で返す篤紀。

「最低」

開き直られてムカついた。

「もういいじゃん。お前、しつこい。昔の話をしたって意味ないだろ」

“最低”という言葉が気にくわなかったのか、彼は口をとがらせ、ハァッとため息をつく。