考えていたのは、「彼がカウンターにいる場合は、会員カードを作って、少し会話をする」か「フロアにいた場合は、高い棚にある商品を取ってくださいと声をかける」だったから、別にめちゃくちゃ計画が崩れているわけじゃない。

でも、見つけてから行動するつもりでいたあたしは、心の準備をまだしていなかっただけに、急な展開を前にして頭の中が混乱していた。

まさか、この眼鏡のさわやかなお兄さんが、深町本人だとは思ってもいなかったの。

だって、小学生のときは眼鏡をかけていなかったし、さわやかに微笑むキャラでもなかった。

どちらかと言えば、嫌味っぽくニヤリと笑う感じ。

てか、こんな男前になってるとも思ってなかったんだもん。