……なんだ、いい子じゃない。

痛い思いをしたから少しムカついていたけれど、彼女の素直な意見を聞いて、あたしは機嫌を直した。

「あ、行かなあかん。すいません、職員室ってどこですか?」

すっくと立ち上がり、スカートについた砂を手で払いながら、質問してくる彼女。

「あ、そこの階段を上がって、左に曲がれば……」

にっこり微笑み、丁寧に教えるあたしを見た直子は「ベッピンって言葉にやられたな」と呆れていた。