「ちゃんと聞いてるってばぁ。待っ……で!!」

置いていかれないよう、慌てて後を追った。


けれど、突然、誰かが横から飛び出してきて、あたしは真横に倒れてしまった。

「ったぁ……い」

地面にぶつけたひじをさすりながら、体を起こすあたし。

先を行ってた直子は、転んだあたしに「大丈夫?」と聞きながら、急いで戻ってきた。

「……腕、すりむいた」

あたしは落ちた携帯電話を拾い、めくれた皮膚を優しくなでる。

そのとき、倒れていた人物が、頭をさすりながら起き上がった。