元旦ということもあって、神社の中は人で溢れかえっていた。

「おい、もういくぞ」

賽銭箱の前から離れないあたしを、急かす篤紀。

「ずっとブツブツ言いやがって。一体、何を願ってたんだよ?」

お守りを選びながら、篤紀はうんざりした顔をした。

「ミスコンの優勝。あたしね、2年連続で優勝してるの。今年も絶対にとるつもり。3冠王として来世まで名を残すって決めてるの!」

「来世って……」

あたしの野望は、篤紀からすればどうでもいいことみたいだった。